ノコギリ木工(入門編)
CD「ノコギリ木工」(入門編)
¥1,995(消費税込み)
DVDではありません。
パソコンでご覧ください。

■ 内容


動画(wmvファイル形式/計62分)

  1. カンナの種類と使い方(12分)
  2. カンナの刃の研ぎ方(12分)
  3. 相欠き継ぎのフォトフレーム(15分)
  4. 留め継ぎのフォトフレーム(11分)
  5. 包み継ぎの箱づくり(12分)

写真と文字の解説(計79頁)

  1. ノコギリ木工とは(5頁)
  2. ノコギリ木工の技法(21頁)
  3. 揃える道具(6頁)
  4. 額縁づくり(5頁)
  5. 箱づくり(8頁)
  6. 皿収納(2頁)
  7. 西洋カンナ(22頁)
  8. 削り台の作り方・使い方(10頁)
完成品

ノコギリ木工

ノコギリ木工とは、電動工具にあまり頼らず、西洋カンナとノコギリ、そして新しい木工技法で小物入れなどの作品づくりを楽しむ木工のことです。電動工具の騒音や飛散する削り屑に悩まされないのでマンションでもできます。静かで安全な木工は実際にやってみるとなかなか魅力的です。
西洋カンナを使う理由として、メンテナンスがほとんど不要で、重要な刃研ぎが初心者でも簡単にできることが挙げられます。
電動工具に頼らない木工となると、相当な熟練技術が必要になると思われがちですが、ノコギリ木工では熟練技を必要としません。ごく簡単な道具を自作するだけで、高度な木工が楽しめる全く新しい方法です。
それをひとつの例でご説明しましょう。
下の写真は材を直角に切り落とすための直角ガイドと呼ぶ道具です。10cm×20cmほどの板で、作業台にクランプされています。板の厚み部分に黒く見えるのはマグネットシート(磁石の粉を混ぜたゴムシート)です。そこから数センチ出してクランプされているのが切り落とす材。ストッパーに材をあてがうだけで直角にセットできます。こうしてから、マグネットシートにノコギリの刃をつけて挽けば、磁石がしっかり刃を引きつけてくれます。刃がぶれることなく、材をまっすぐ、直角にカットすることが自然にできるのです。CDにはこうしたガイドの使い方など、ノコギリ木工の基本が紹介されています。

説明



■ ノコギリ木工で使う道具・・・1. ノコギリ



ノコギリ

上段のノコギリの刃にはアサリと呼ばれる若干の角度が付けてあります。刃の部分だけほんの少し左右に広がっており、切り屑の排出をよくし、よく切れるノコギリにするためです。
下段のピンクのノコギリにはアサリが付いていません。
ノコギリ木工ではノコ刃をマグネットシートにつけて作業するため、傷をつけないよう、主にアサリのないノコギリを使います。

下の3連写真は45°に材を切るためのノコギリガイド。黄色い部分は滑り止めのサンドペーパーで、反転しても使える。黒く見えるマグネットシートにノコ刃をつけて切れば、難しい45°カットも簡単に、しかも正確にできる。

ノコギリガイド

 

ホビーショーで行われたノコギリ木工教室。参加者は、この日初めてノコギリを手にする方が100%。それでもノコギリ木工の新技法と西洋カンナで、本格的な相欠き継ぎのフォトフレームや包み継ぎの箱を製作した。

ホビーショー

▼直角ガイドで材を切り落としているところ

直角ガイドで材を切り落としているところ

 

アサリのないノコギリは板の表面を傷つけずに木栓を切り落とせるのでマグネットシートを使うノコギリ木工には最適。

ノコギリ

ノコギリ木工に慣れてくれば下の写真のようなダブテールジョイント(アリ継ぎ)もできるようになる。

ダブテールジョイント



■ ノコギリ木工で使う道具・・・2. 西洋カンナ


西洋カンナ

【下の写真】研ぎはカンナの刃をローラー付きガイドに挟み、砥石上を前後に動かすだけなので技術はいらない。研ぎで最重要な「一定の角度で研ぐ」ことができるため、プロ顔負けの鋭利な刃になる。

西洋カンナ研ぎ

ノコギリ木工は電動工具に頼らない木工ですが、その代わりになる工具を使わないと作品は作れません。ノコギリの次が西洋カンナです。和ガンナではなく、西洋カンナを使う理由は、何と言っても、とても使いやすいからです。メンテナンスや刃の研ぎ方で苦労することはありません。(CDでは12分間の動画による研ぎ方も解説)
電動工具を使わない静かな空間で聞こえるカンナがけの音と木の香りを経験すれば、カンナをかけること自体が楽しくなります。

下の写真はホビーショーで、木工経験のない方がノコギリ木工でフォトフレームを製作。西洋カンナで材の接合部の段差を修正しているところ。きちっとでき上がった。

フォトフレーム製作

pdfダウンロード資料・・・箱づくり(3頁/265KB)



■ ノコギリ木工で使う道具・・・3. カンナ削り台


削り台は、カンナのアシスタントと言えます。材をその上に置き、希望の寸法や角度に正確に仕上げるための道具です。削り台があれば不思議なぐらい簡単に、しかも正確に材を加工できます。したがって木工で大切な角度である90°と45°加工が正確になるので高度な作品づくりも可能になります。CDには削り台の作り方が10頁にわたり詳細に解説されています。

カンナ削り台 01

材を平らにカンナがけするベンチフック。材の長さに合わせ、ストッパー位置を調節して使う。

 

カンナ削り台 02

額縁などの製作で材を45°(平留め)に削る台。

 

カンナ削り台 03

箱製作などで材の木口幅全体を45°(大留め)に削る台。削り台の後部を使い、材を直角や正確な幅に削ることもできる。

「ノコギリ木工」実践

上総木工交流会(千葉県)で電動工具に頼らない、ノコギリと西洋カンナを使う「ノコギリ木工」を実践しているところ。45°加工する削り台と、横向きにしたブロックプレーンという西洋カンナで細い棒を加工し、画面手前の小箱を作っている。奥にはベンチフックも見える。

MIRAI削り台金具

削り台で材の木口幅全体を45°加工(大留め)しているところ。MIRAI削り台金具を使って自作したもの。

完成品

pdfダウンロード資料・・・平留め削り台の作り方(4頁/243KB)



■ キットで始めるノコギリ木工


直角ガイドとベース板自作キット
¥1,500(消費税込み)
ノコギリ木工で材を加工する時ここに固定します。自作用キットで、マグネットシートも付属しています。(接着剤は付属しておりません。)

説明図 01

上図左はベース板、右は直角ガイドです。茶色部分はマグネットシートで、ここにノコギリの刃をつけて挽きます。ノコ刃がぶれず、材を正確にカットできます。この両方を使い、フォトフレームキットや箱づくりキットですぐに作品づくりが可能になります。使い方はCDノコギリ木工の技法をご覧ください。詳しく解説されています。


フォトフレームキット
¥1,500(消費税込み)
下図のような2種類の継ぎ手のどちらか一方のフォトフレームを作ることができます。初めての方は相欠き継ぎのフォトフレームがおすすめです。ハガキ大の写真用です。透明板、ひも、画鋲が付属しています。(接着剤は付属しておりません。)

説明図 02

【相欠き継ぎ継ぎ】
互いの板の厚みのほぼ中心にノコギリを入れ、切り欠いた部分を接着します。接着面積が広く、丈夫な継ぎ手です。溝加工し、パネルをはめ込めば、家具の扉の枠に応用できる継ぎ手です。CDノコギリ木工に丁寧な動画解説もあります。

説明図 03

【45°留め継ぎ】
平留めの本格的なフォトフレームです。直角二等辺三角形の平留め削り台を使うことで高精度の留め継ぎ製作が可能になります。CDノコギリ木工の「削り台の作り方」をご覧ください。


箱づくりキット
¥1,500(消費税込み)
下図のような2種類の継ぎ手のどちらか一方の箱を作ることができる材料が入っています。外形寸法(約):100mm×150mm×高さ60mm 底板や細い棒材も付属しています。
(接着剤は付属しておりません。)

説明図 04

【包み継ぎの箱】
箱だけでなく、引出し製作にも応用できる継ぎ手です。妻手板(短い方の板)のみ加工すればいいので、初めて作る箱に向いています。CDノコギリ木工に動画の解説もあります。

説明図 05

【45°留め継ぎの箱】
板の木口が見えない、本格的な留め継ぎの箱です。製作には西洋カンナを45°傾けて材を削る大留め削り台をお持ちの方なら製作可能です。(MIRAI削り台金具を参照してください)

CDのご注文はこちらからどうぞ。


■ 開発者の独り言


私はずっと電動工具で様々な作品づくりをしてきました。日本のみならず世界の殆どの木工ファンも電動工具で木工を楽しんでいると思います。しかし、騒音や飛び散る削り屑の問題で、電動工具が使えない環境にいらっしゃる方々も多いはずです。
そうした方々にも木工を始めてほしいと考え、手工具を使った新しい技法として「ノコギリ木工」を考えました。この新技法で欠かすことのできないものが、マグネットシートです。ノコ刃をここに付けるだけで、材を直線切りしたり直角に(真下に)切り落とすことが簡単にできるようになるからです。このマグネットシートのアイデアは、ある木工クラブのメンバーの1人が考えたアイデアです。私はこの方法なら、初心者が木工を始めやすくなるはずだと考えました。やってみると様々な継ぎ手の加工ができることが分かりました。こうしてノコギリによる様々な加工方法を体系化したのがノコギリ木工です。
残された課題は仕上げにカンナを使うことの難しさです。サンドペーパーでも仕上げはできますが、カンナより時間と手間がかかります。また、カンナの仕上がりの方がはるかにきれいです。それにカンナなら、粉のような木屑が飛び散ることもありません。しかし、日本のカンナ(和ガンナ)は扱いが難しいカンナです。私自身も苦手意識をずっと持ってきました。おそらく私だけでなく、和ガンナを初めから簡単に使える人はまずいないでしょう。そこで、西洋カンナに目をつけたのが、17年ほど前のことです。その時は安物を購入したため、底面が平らに見えて平らでなく、材を削ることすらできず、期待を裏切られました。その後も紆余曲折があり、たどり着いたのが、ここで紹介しているリーニールセンの西洋カンナです。このカンナなら誰もが初めから使える優れたカンナだという確信が持てました。私と同じ回り道をしないためには、初めから高品質の西洋カンナを使うこと、そして刃研ぎは、刃研ぎガイドを使うことが大切です。
こうしてノコギリと西洋カンナによる木工を探求しているうちに、電動工具による木工とは、また別の魅力に気づきました。それは、静かな環境でカンナの音と木の香りを楽しむという新しい感覚が何とも心地よいということです。(杉田豊久)



■ 西洋カンナクラブ(木工クラブ)のご案内


木工クラブ
このクラブでは、従来の電動工具を使う木工のほかに、電動工具にあまり頼らない手工具を使うノコギリ木工による技術向上も目指します。木工教室ではないため、毎回決められたカリキュラムに沿い、授業を進めていくという内容ではありません。
ご自分の作品や自作ジグなどを自由に発表できます。研究会のようでもあります。ご自宅で木工を楽しむことが目的で、西洋カンナをお持ちの方が対象です。

内容:ノコギリ木工による各種継ぎ手の加工方法/手持ちトリマーとトリマーテーブル/ルーターとルーターテーブル/ルータービット/電動工具の騒音対策/各種自作ジグ・市販ジグの解説と実演/西洋カンナの刃研ぎ/西洋カンナの種類と使い方/手加工ダブテールジョイント/作品製作など。
西洋カンナクラブ:自由参加(高校生以上)初参加の方は事前にご連絡ください。工房が小さいため人数に制限があるためです。見学歓迎(無料)
参加費:1人1回¥2,000(材料費が生じる場合は別途)
日時:毎月第1土曜日 09:00~夕方
場所:〒162-0053東京都新宿区原町3-73(戸建住宅のガレージ工房)
連絡先:(株)インターナショナル・ミライ・コーポレーション Tel.03-3205-2741 mirai@momo.so-net.ne.jp
交通:駐車場はありません。電車でお越しください。地図をメールまたはファックスします。(近くにコインパーキングがあり、お送りする地図にはパーキング情報が載っています。)
最寄駅
都営地下鉄大江戸線「牛込柳町駅」下車 徒歩3分
東京メトロ東西線「早稲田駅」下車 徒歩8分